賢者の選択 リーダーズ倶楽部事務局
受付時間 平日9:30~18:00
メンバーズスピーチでは、株式会社レトリバ 代表取締役社長 河原一哉氏に自然言語AIの最新動向のご紹介と共に、どのように業務に活用できるのかの事例と、皆様のビジネスでAI活用をするヒントをお話しいただきました。
また、スペシャル講演は、元自由民主党幹事長 中川秀直氏に「地球・ヒト・未来」について講演いただきました。地球の歴史、ヒトの歴史などを改めて学び、この奇跡の地球を危うくするあらゆるものを取り除く「人の自我卒業」と、経済・政治・社会・文明の「地球共同体システム」について考えました。
講演内容
AIの技術革新が著しい昨今、弊社レトリバはその中でも自然言語処理の領域に特化したサービス支援を提供しております。AIは機械学習(ML:Machine Learning)と深層学習(DL:Deep Learning)と自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)の3つの技術を組み合わせることでできています。(補足:他にも色々なAI技術はありますが、わかりやすくするために簡略化しています。)
AIの基盤となる技術である機械学習とは、簡単に言うと、データから学習することができるアルゴリズムです。深層学習とは、人間の脳のモデル(ニューラルネットワーク)を複数層コンピュータで再現して使っている機械学習の技術のことです。そして自然言語処理とは、人間の言葉をコンピュータに処理させる技術です。
AIに関する最新動向としては、これまでも将棋やチェスなどコンピュータとの対戦は行われてきましたが、中でも囲碁のAI処理は不可能とまで言われていましたが、Googleが開発したAlphaGoが囲碁の世界チャンピオンに勝利し、囲碁の強いプログラムを作ることが可能であることを示しました。
また、自動運転システムにもAIが使われています。これまで、状況に応じてどのような運転をすれば良いのかという判断が難しく、なかなか実現できなかったのですが、画像をうまく識別できるようになり、ハンドル操作とその後の挙動の予測をその場で処理できる技術も発達し、実現の見通しがたってきました。
これらの技術を支えているのは、「推論・自動制御」と言われている技術で、この課題を解決するための強化学習という手法が使われています。また、「画像認識・生成」技術に関しても、最近の技術においては、大量の顔の画像を見せることで顔の部位を認識・学習できるようになってきて、いろいろな人の顔を認識できるようになってきました。また、画像の生成も本物か偽物か区別がつかないほどまでに進化し精巧なCG画像を作り出すまでになっています。
また、AIキャスターのように、「音声認識・合成、文章生成」技術も飛躍的に向上しています。人間の話す言葉を自然な文章に生成するようになり、機械が人間と自然に話せるような、AIと対話するために「意図理解」という技術も用いられています。これにはBERTというGoogleが開発した最近の技術が使われています。
このようなAI技術の進歩により、ビジネスにおいて多くのAIサービスが期待されます。中でも、自然言語処理において特にビジネスで応用しやすい3つの機能は検索、分類、抽出です。
例えば、社内における膨大なデータからなんとなく似ているものを提示(検索)したり、企業内のヘルプデスクやコールセンターなどへの問い合わせから該当データを提示したり、あるいは、問い合わせの傾向などを分類、分析しやすくしたりします。
また、問い合わせ内容によって情報を適切にエスカレーションするための支援(分類)や大量なデータの中から重要かつ必要な情報(課題発見)を抜き出す技術、あるいは通話やSNSのデータからリスク要因を見つけ出す技術(抽出)などがあります。
レトリバでは、これらの自然言語処理を用いてお客様の課題解決に役立つ最適なサービスを提供すべく事業展開しております。
◆河原一哉氏 プロフィール
1978年 生まれ。
2001年 電気通信大学電気通信学部電子情報学科卒業。
2001年 サン・マイクロシステムズ入社。
2008年 シーエー・モバイル入社。
システム開発部 部長、コンテンツ管理部 部長
2010年 Preferred Infrastructure入社。
プリセールスエンジニア、サポートサービス部部長、製品事業部事業部長などを歴任。
2016年レトリバを創業。
2012年に政界を引退して現在、この地球上に存在する限りある資源の中で、どうすれば人間は幸せに発展していけるのかというテーマに取り組んでいます。地球やヒトの歴史を学べば学ぶほど、その本質論に帰着します。例えば、今年の7月25日には直径130mの隕石が地球とニアミスしましたが、もし衝突すれば大量の核兵器に匹敵します。生物はいつでも絶滅の危機にあるという認識を持つこと。そして、地球は人類のものでも国のものでもない。「人は全て移民」という厳粛な認識が必要です。
また、恐竜絶滅が6,550万年前であることを考えると、人類の歴史はたったの700万年前です。その間、何度も絶滅の危機に瀕し、地球上の様々な危機的自然災害に翻弄されてきたのです。そのたびに人類の繁栄の歴史を繰り返し、地球大に広がっていきました。我々76億人の祖先が25万年前にアフリカをルーツとする同一軌跡の同一種族であるように。このように、「人類は全て移民」の意味とは、そのヒト族の人類史を辿れば理解できます。
かつて人類は石で様々な道具を作り、火を利用し、針で作った獣の皮の防寒着で寒さを克服し世界に広がりました。それが今や地下から掘り出す化石燃料やウランの大量消費、さらには核兵器にまで至り、自らの生存を脅かしています。
私はかつて科学技術庁長官として原発を推進する側におりました。しかし、私たちは福島の原発事故を経験し、自らを振り返り、反省するに至りました。原発は、使用済み核燃料の最終処分も決まっておりません。世界で唯一と言われるオンカロの最終処分場ですらまだ未完成といわれています。この先10万年間保管するための標識の言語ですら未知なのです。
また、原発コストは他に比べて安いと言われていましたが、それはバックエンド費用などが除外されており、実際には他のエネルギーより遙かに高いという試算もあります。何より、一度大事故が起これば、5,000万人近くが避難を余儀なくされるというデータもあるほどです。この狭い日本で人口の半分近くに移動が可能でしょうか。
一方で、自然エネルギー資源が豊富な日本。太陽光や風力、地熱などを利用した発電技術の進化は著しいものがあり、もはや原発エネルギーを上回る勢いで発展しています。世界では、新たな産業革命と言われるほど加速的に自然エネルギー市場が拡大していますが、日本ではすでに立ち遅れています。今こそ、舵を切り替えなければなりません。原発即時ゼロを決断し、自然エネルギーへの転換政策を進めれば、世界も日本も2~30年で全電力を自然エネルギーに変えることは十分可能です。一刻も早く健全な地球を取り戻さねばなりません。
世界人口は増加傾向にあり、一説には100億人とも120億人とも言われている一方で、この100年で生物は1万種ぐらい絶滅しており、これまでの100倍のペースで進んでいます。私たち人間の中にある小さく愚かな自我を抑え、互いに多様性を認め合い、地球に奇跡的に生きる「人としての」自我という共通のアイデンティティをこれからどのように作っていくかを真剣に考えなければなりません。これら全てのことは、私たち全員の責任であり、未来への責任でもあるのです。国の垣根を越え、力を合わせ、全く新しい経済・政治・社会・文明のシステムにしていかないといけない時期に来ているのです。
◆中川秀直氏 プロフィール
1944年、東京都生まれ。
1966年に慶應義塾大学法学部を卒業。
1976年、新自由クラブ公認で旧広島2区から立候補しトップで初当選。
1996年、橋本龍太郎内閣で国務大臣科学技術庁長官として初入閣。
2000年、第二次森内閣、国務大臣内閣官房長官兼沖縄開発庁長官に就任。
2002年、自民党国会対策委員長に就任。
2005年、自民党政務調査会長に就任。
2006年9月、自民党幹事長就任。