賢者の選択 リーダーズ倶楽部事務局
受付時間 平日9:30~18:00
メンバーズ・スピーチでは従業員50名以上の企業が義務として実施している単純なストレスチェックに替わり、企業の課題解決までを視野に入れた、AI解析による独自のサービス「ラフールサーベイ」を展開するメンタルヘルステック企業、株式会社ラフール執行役員CMOの大塚友広氏よりご登壇いただきました。
スペシャル講演は、2025年大阪・関西万博の招致立案にあたり、2015年の春、大阪府案を検討する当初から中心的な役割を担っていらっしゃる大阪府特別顧問/大阪市特別顧問の橋爪紳也氏にご登壇いただきました。
講演内容
私は、BtoB領域のマーケティングを推進する株式会社イノベーションに新卒1期生として入社しました。退社後20代でベンチャーを立ち上げ、その会社を売却し、その後、私の出身地でもある群馬県の、富岡製糸場世界遺産プロジェクトの観光マネージャーに就きました。そこを3年間勤めた後、Marketing-Roboticsというマーケティングオートメーションツールを開発運営する企業の取締役COOに就任し、今年から株式会社ラフールでCMOをさせていただいております。
2015年にストレスチェックが義務化されて以降も、精神障害による労災認定は増加の一途ですが、弊社はそのストレスチェックをより深いところまで行い、ストレスを可視化し、メンタル・フィジカルの両面から組織全体の状態を見える化し、現状把握から課題対策まで一貫して行うサービスを提供する労働者のメンタルヘルスケアに特化した事業を展開しております。
病気や体調不良などによる欠勤によって生産性が低下するアブセンティズム(absenteeism)に対し、出勤しているのに何らかの理由で生産性が上がらないプレゼンティズム(Presenteeism)が指摘されるようになりました。そのプレゼンティズムによる損失額は、アブセンティズムの約18倍とも言われ、その対策の重要性はさらに増してきております。
弊社独自のメンタルヘルスをベースとした組織分析ツール「ラフールサーベイ」は3,000社の対策支援実績があり、多くの組織改善への第一歩としてご導入いただいております。
141項目によるスタンダードサーベイから19項目のショートサーベイ(月一回)により現状把握し、目的に合った指標によって明確化、あるいは部署ごとや男女別などのデータ分析が可能となり、社内の高ストレス部門を早期発見でき、社員の健康状態を把握することができます。
また、弊社では、その対策として高ストレス判定を受けた従業員の方へのヘルスケアプログラムも6種提供しております。昨年8月からは、弊社とFitbitが連携し、ウェアラブル端末を通して従業員健康をサポートする「健康経営保証パック」をリリースいたしました。
最近、点数表示から偏差値表示に変更し、リニューアルいたしましたが、今後もさらに多くの企業様にご導入いただき、ゆくゆくは、仕事の価値観の違いなどの指標も導入し、より信憑性を高めていき、各業界の偏差値を可視化するなどにより、さらなる皆様の健康増進を支援していきたいと考えております。
◆大塚友広氏 プロフィール
1983年群馬県生まれ。
2005年株式会社イノベーションに新卒一期生として入社。ベンチャー設立、バイアウトを経て、群馬県富岡製糸場の世界遺産プロジェクトにおける民間登用でプロジェクトのトップに着任。地域経済施策、観光施策を率いる。マーケティングオートメーションツールを提供するマーケティングロボティクス株式会社の取締役COOを経て2019年株式会社ラフールに参画。執行役員CMOに就任する。
富岡製糸場のプロジェクト時に始めたゴルフが書籍化され、累計9万部を超えるベストセラーとなっている。
その他、米国大使館×慶応大学SFCTOMODACHIアントレプレナーシップセミナー審査員などを歴任する。石川遼選手などを輩出したAJGAアジアジュニアゴルフ協会の理事兼GMも務める。
私は1990年代以降、「国際集客都市」を提唱、定住者に加えて、世界中の来街者(ビジター)を都市の担い手とする都市づくりの意義を問いかけました。
世界的な都市間競争を意識、日本の各都市も中長期的なビジョンを持って国際的な魅力ある都市へと転換する必要性を強調しました。
大阪にあっては「水都再生」や「光のまちづくり」、歩行者を優先するにぎわいのある都心再生、大阪城や天王寺公園におけるパークマネジメントの導入、観光誘致機関の強化と戦略策定など、多くのプロジェクトの立案と実践を継続してきました。
「2025年日本国際博覧会(愛称:大阪・関西万博)」に関しても、理念の策定および会場計画立案に関して当初より参画してまいりました。
2015年以降、大阪府案の策定にあって中心的な役割を担い、経済産業省の立案にあっても専門家として深く関与しております。
近年の国際博覧会は、世界人類が共に直面している課題に関して、知恵を出し合い、ともに解決する場とされています。
2025年日本国際博覧会は、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマ。「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」をサブテーマに掲げ、「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」という3領域に焦点を充てるものとしています。
より具体的には、一人ひとりが自己充足を達成することができる社会のあり方を、多くの国や人々の「共創(co-creation)」によって実現することを掲げています。
そのためにも国連が掲げる「SDGs」、すなわち持続可能な開発目標の達成に貢献することをうたいました。
また会場をリビングラボとして、さまざまな社会実験を展開、日本が世界に提唱する「ソサエティ5.0(超スマート社会)」のモデルを示すとしています。
さらに、フィジカルな会場とサイバーな会場を設定、双方をつなぐようなイベントを展開することも想定しています。2025年には世界の人口は、80億人に達すると予測されています。すべての人が会場にアクセスが可能であり、実際の来場者と交流し、新たな価値を生み出すような場となることが期待されています。
私は小学生の頃、1970年大阪万博の会場に18回足を運びました。私の父親が経営する建築塗装会社が、一部パビリオンの現場に関わったことを知り、とても誇りに思ったことを記憶しています。当時、多くの人が万博に関わったように、できるだけ多くの人が誇りに思えるような経験を積むことが大切だと考えます。
博覧会会場は仮設物であり、半年間の会期が終わると消えてなくなる「世界文明の祭り」です。儚いからこそ、そこにユニーク表現が生まれ、従来にないアイディアが託され、誰もがチャレンジングなことを試みることができます。2025年には大阪にあって、「共創(co-creation)」を基礎としつつ、最新技術を活用した新たな社会モデルが提示されることになります。誰一人取り残されることなく、一人ひとりの「いのち」が充足される社会の理想を、世界に発信していきたいと思っております。
◆橋爪紳也氏 プロフィール
1960年大阪市生まれ。京都大学工学部建築学科卒。同大学院修士課程、大阪大学大学院博士課程修了。建築史・都市文化論専攻。工学博士。
大阪府立大学研究推進機構特別教授、大阪府立大学観光産業戦略研究所長。日本観光研究学会賞、日本都市計画学会石川賞、日本建築学会賞など受賞。
『大大阪モダニズム遊覧』『広告のなかの名建築 関西編』『瀬戸内海モダニズム周遊』『1970年大阪万博の時代を歩く』ほか、主著は80冊を越える。
大阪府特別顧問、大阪市特別顧問、大阪府河川水辺賑わいづくり審議会会長、大阪府市文化振興会議会長、株式会社京阪ホールディングス社外取締役、イベント学会副会長などを兼職。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の構想立案、会場計画に関して、専門家として当初より参画。