賢者の選択 リーダーズ倶楽部事務局
受付時間 平日9:30~18:00
大阪で行われた例会のスペシャル講演では、「まち・ひと・しごと創生本部事務局」において、近畿及び中四国地区の責任者をされております内閣官房・内閣審議官 間宮淑夫氏に「地方創生の課題と展望」というトークテーマでお話しいただきました。
12月東京例会で大好評となり「是非大阪でも!」とリクエストが多く挙がったため、同じトークテーマではありますが、東京とは違った視点でお話しいただき、新鮮でした。
メンバーズスピーチでは、税理士法人日本税務総研 田中耕司氏に「相続税を沢山納める方法」という遊び心のあるテーマでご講演いただきました。
基調講演テーマ
今日皆様にお話したいのは、「相続税をたくさん納める方法」です。少し皮肉めいた言い方ではありますが、実は意外にも、意図しない形で相続税を多く納めてしまう人が少なくないのが現状です。
例えば昨年平成27年。相続税の基礎控除が下がったことで、結果として相続税が増税になりました。そして相続税対策として、NHKでは不動産対策が紹介されていました。しかしその方法には、一部誤りがありました。
また、2003年の日経連の会長子息が、16億円の脱税で逮捕された事件がありました。彼の手口は非常に調査が簡単で、少しでも専門知識のある税理士に相談していれば、あんな事をせずに済みました。
税金対策をあれこれと考えるのが好きな人間もいますが、彼らに資産管理を一任するのも危険です。セミナーや独学でスキームを構築して実践した結果、かえって当事者が刑事訴追の対象になる、といった事例もあります。
相続と言えば話題に上がるのが「遺書」です。私たちは奥様やお子さんといった家族を愛しているのなら、必ず専門家などを交えて遺書を残す事をお奨めしています。そうでない場合、家族は遺産争いや法定相続分という制度に翻弄されることとなるでしょう。
これらの事例はいずれも、相続税の基礎となっている民法をちゃんと理解していないからこそ起きます。現在非常に民法が複雑になっているため、その仕組みを正確に知らないと税金を多く納める事になりかねません。
そうならないよう、現行法が認める最低限の効果を得られているかを専門家に見てもらう、彼らのアドバイスを参考に、遺書の作成を始めとした相続税対策・事業継承対策を真剣に取り組む事が必要不可欠なのです。
2年半前、政府は「内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局」を設置しました。地方を元気にするために「仕事の創出→人口流入→町の活性化→さらなる雇用創出」という好循環を生み出すのが目的です。
現在の少子高齢化・人口減少のペースが続くと、将来的に人口が0になってしまう消滅自治体があります。それは山奥の田舎だけの話ではなく、東京都豊島区でさえ将来的に人口が0になるというデータが出ています。ある意味東京都も「地方創生」の対象なのです。
今も人口一極集中が続く東京都在住の方にアンケートを取ると、約4割もの方々が移住に対して前向きな考えを持っています。しかし、そんな移住に踏み込めない理由の1つに「働き口はあるのか」という不安がありました。
そこで可能性を見出しているのが、世界的に見てもまだまだ労働生産性の低いサービス業や、GDPに置ける比率が国際的に見て最下位の方にある観光業といった産業です。特に観光業は地方創生に直結する産業と考えています。
さらに地方自治体にも対策を求めます。国の政策は全国一律ですが、初婚年齢や出生率などは都道府県、さらには市区町村で全く状況が違います。まとまった資金を国が用意して、彼らに「自立性」「(他自治体との)連携性」「新規性とモデル性」のある地方創生策を呼びかけてきました。
それ以外にも、政府主導で政府機関の地方移転や企業版のふるさと納税といった政策に取り組んでいます。
以前、経団連と経済同友会の地方創生委員長にご挨拶をしに行きましたが、彼らも非常に真剣な姿勢で地方創生に取り組む姿勢を示していました。これまで「産学官」という言葉がありましたが、ここに地方の金融機関・労働組合・マスコミを加えて「産学官金労言」が一体になって取り組む必要があるのです。皆様も地方の住民の1人として、あるいは大きなビジネスチャンスの1つとして考える機会としていただきたいと思います。