賢者の選択 リーダーズ倶楽部事務局
受付時間 平日9:30~18:00
「長月」とは9月の別名として使われる言葉ですが、この由来には「夜長月(よながつき)」の略であるというものと、もう1つ「稲刈月(いねかりづき)」が「ねかづき」と読まれ「ながつき」になった、あるいは「稲熟月(いなあがりづき)」が略されたものという説があるそうです。9月2日、6回目を迎えた今回の東京例会では、ゲスト講演のC Channel森川社長(LINE前社長)、メンバーズスピーチのサイバード堀社長というお二人から、まさにこの時期の稲穂のような、大変実りのあるお話を伺うことが出来ました。
基調講演テーマ
メンバーズスピーチでは、日本で最も早い段階からモバイルコンテンツ事業を立ち上げてこられた、サイバードの創業者、堀社長に「狂気とカミカゼと愛」というテーマでご講演いただきました。
ご自身のルーツである南紀白浜『ホテル川久』の建築工事にまつわる、バブルと伝統文化の薫風漂うカルチャーショックに満ちたエピソードを交えながら「世界一のソフトウエアを作る」「昨日より今日、今日より明日の世界を、もっと良い世の中にする」という一見大それた「狂気」ともとられるような志の下にこそ、それにふさわしい能力と熱意のある人々が集まってくること。そしてそれはある時突然「カミカゼ」のように、その気持ちと力にスイッチが入り、持ち得る全能力以上のことを要求されて仕事に向かい合う瞬間が来ることを熱弁していただきました。
サイバードをわずか1年半にして上場させベンチャー起業家として大成功を収められましたが、今後もこのカミカゼを「巡り合わせの不思議」だけでは片付けず、自らそれを吹かせられるような仕事をしていきたいという力強いご様子に、皆さん感銘を受けられたのではないでしょうか。
現代のコミュニケーションツールとして、老若男女問わず爆発的な広まりを見せている『LINE』の前社長で、現在は、女子のための動画ファッションマガジン、C Channelを企画運営されている森川社長には「イノベーションを呼ぶマネジメント」というテーマでご講演いただきました。
天才音楽少年として名を馳せた中学生時代、ドラムマシンと出会い、人ではなくコンピューターが演奏するというシステムに大きなショックを受けたこと。これからは全ての事柄において「人」が要らなくなり、コンピューターがとって代わる時代が来るかもしれないと、コンピューターシステムを学ぶために筑波大学に入ったものの、いわゆる電気オタクの同級生に馴染めず、バンド活動に明け暮れていたことなど、序盤は学生時代のエピソードを軽快な語り口で紹介していただきました。今回会場には学生限定フリーシェアスペース『賢者屋』よりご招待した現役大学生の聴衆もありましたので、一気に親しみをもって聴くことができたのではないでしょうか。
中盤以降は、日本テレビに就職されてから歩みだされたシステムビジネス先駆者への道について。給与が半分になっても「既存のものが無いところで働きたい」をという熱い志をもってハンゲーム(現LINE)へ転職。外国人比率の大きい組織を、どうマネジメントしていくか。「転がりながら新しい世界を作っていかなければならない」変化の早いIT業界で、いかにスピーディーにその変化を察知するか、またいかに自分たちの商品や働き方を変化させていくか。「変化」を「強み」にマネジメントする重要性と、それを実現するために実施された「定例会議を無くす」「情報共有を無くす」といった、いくつかの斬新な手段をご紹介いただきました。社会の変化に乗り遅れない、というのは多くの会社の命題ゆえに、皆様にとって大変内容の濃い講演になったご様子でした。