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賢者の選択 リーダーズ倶楽部事務局

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活動報告

活動レポート 東京例会
2016年07月15日
第12回例会 東京

東京で行われた7月例会のメンバーズスピーチでは、ワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社の森内譲氏にご登壇いただき、「放送の高度化と、テレビを活用したマーケティングの将来について」というテーマで独自の調査やインタビュー等に基づくコンテンツ戦略やネット配信への対応など、既存の放送局では出来ない独自の取り組みやBS放送市場の展望などをお話いただきました。

ゲスト講演では、朝日新聞 政治部編集委員の曽我豪氏に「安倍政権の長期戦略のバージョンアップ」というテーマで7月10日の参議院議員選挙の結果を受けて、今後の任期延長と改憲・解散が絡み合う新たなステージに突入した安部政権の長期戦略練り直しについてと、7月31日の東京都知事選挙の構図、各党の戦略など普段テレビや新聞報道ではなかなか聞けない内容をオフレコ満載でお話しいただきました。

基調講演テーマ

メンバーズスピーチ

放送の高度化とテレビを活用したマーケティングの将来について
ワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社 代表取締役社長 森内 譲 氏

私の経営している会社は「BS12 トゥエルビ」というチャンネルを持っており、2017年で開局から10年を迎えます。BSは比較的新しいメディアですが、2011年に完了したTV放送のデジタル化を契機に、中高年層を中心に約4000万世帯に視聴者が増加しました。広告市場でも順調に成長していますが、2015年でシェアが5%と、まだまだこれからというのが現状です。

そうした中で、TVを取り巻く環境はインターネット普及によって大きく変化しました。
様々な動画配信サービスが普及し始めた他、あらゆる場面でメディア環境が多様化してきたのです。

こうした多様化の一方で、TV業界は総務省主導の4K・8K放送の、2018年の実用放送を目指したプロジェクトが本格化しています。このプロジェクトによって、放送チャンネルの増加、超高精細な画質といった様々なメリットが視聴者にはありますが、一方で制作コストの当面の増加、4K・8K放送対応のアンテナ・TVの普及といった課題を事業者側は抱えているのも事実です。

そこで、私達は人々の生活の向上に資するという目的のもと、「生活向上エンタテイメント」という独自商品を開発しました。この番組は従来とは異なり広告主とタイアップした番組の制作をし、随時フリーダイヤルやHPを活用した資料請求ができるようになっております。将来的にはハイブリッドキャストをうまく活用した資料請求やスマホアプリの活用、資料の電子化、獲得した顧客情報を広くマーケティング活動に活用することも展望に掲げています。

メディアの環境が様変わりしていく中で、こうした資料請求型の番組はインターネットを活用しながら進化していくことでしょう。

ゲスト講演

安倍政権の長期戦略のバージョンアップ
朝日新聞社 政治部 編集委員 曽我 豪 氏

これまでの取材を通して、私が考える安倍政権の強みは5つあります。

1つ目は2012年の衆院選、半年後の参院選で勝利し、2期6年の長期政権の展望を持てたこと。大きな課題をどう処理するか、自分で優先順位が決められるという強みです。

2つ目は政策戦略。総理は「アベノミクスで稼いだ政治的果実を安保法制と憲法改正で使いたい」と考えています。これは結果的にそうなっているのではなくて、アベノミクスに代表される経済政策で人気を獲得しないと、安保法制や憲法改正のような不人気な政策を突破できないということを総理は強く意識しています。

3つ目は総理をトップとする菅官房長官と麻生副総理の二等辺三角形。この3人が表で対立して異なる世論を先に吸収し、総理が最終的に決断する。彼らは明らかに意識的にやっていて、この官邸劇場がメディアの話題をさらい、野党の存在を消すという巧妙なやり方だと思います。

4つ目は困ったときのウルトラカード。「あの三年半の民主党政権の悲惨な時代を思い出してほしい」と。皮肉なことに安倍総理のいちばんの政治的財産は民主党政権です。

5つ目。総理はゴリゴリのタカ派というイメージですが、実際にこれまで総理がやってきたことを見ていると、極端に右派に寄るように見えて最後に真ん中に戻る。戦後70年談話やオバマの広島訪問、沖縄の辺野古の訴訟を見てもそうです。

一回目の政権と比べて総理が心がけているのは、一強を取るよりも維持すること、安部政権一強の秘訣はここにあると思います。

早ければ秋の臨時国会で憲法審査会を開く。審査会の会長を誰にするか、総理はそこから人事を考えていると思います。改憲勢力の三分の二に達したといっても自民・公明・維新の3つの勢力を束ねて最終的な着地点を見つけていくのは容易なことではありません。ここで間違えば5つの強みが弱みに転じるような展開になる。人気を稼ぐことができないまま、不人気の憲法改正を先行せざるを得ないという逆転現象が起きる可能性があります。そうなれば冒頭に言った2期6年の政権運営を自分で塩梅していくことができなくなる。「(改憲は)慎重にやっていかなければいけない」というのは決して建前ではない総理の本音だと思います。

開催日時
7月15日(金) 14:00~16:30
タイムテーブル
14:00~14:05 主催者挨拶
14:05~14:45 メンバーズスピーチ(ワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社 森内譲氏)
14:45~15:00 コーヒーブレイク
15:00~16:30 ゲスト講演(朝日新聞社 曽我豪氏)
場所
外国特派員協会(外国人記者クラブ)
東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館20階Google Map
TEL:03-3211-3161
http://www.fccj.or.jp/2015-02-02-04-29-17/2014-10-16-03-04-20.html