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賢者の選択 リーダーズ倶楽部事務局

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活動報告

活動レポート 東京例会
2016年09月15日
第13回例会 東京

写真:トークセッション/ジャーナリスト 上杉隆氏(左) ジャーナリスト 蟹瀬誠一氏(右)

東京で行われた9月例会のメンバーズスピーチでは、株式会社あしたのチームの高橋恭介氏にご登壇いただき、「社員の給与アップ&企業の業績を向上させる仕組みづくりとは?」というテーマで、既存社員の流出を防ぎ優秀な人材を獲得し今後も企業成長していくために「今」必要なことや、企業を取り巻く過酷な時代背景、そして“社員の給与アップを実現する”仕組みである人事評価制度などについてお話いただきました。

スペシャルトークセッションでは、国際社会を独自の視点で読み解く国際ジャーナリスト蟹瀬誠一氏と注目の気鋭のジャーナリスト上杉隆氏に対談頂き、「2020年東京、日本、そして世界は」というテーマで、タイムリー且つ、ここでしか聞けない内容について、お二方ならではの視点でお話しいただきました。

講演内容

メンバーズスピーチ

社員の給与アップ&企業の業績を向上させる仕組みづくりとは?
株式会社あしたのチーム 代表取締役社長 高橋恭介氏

今日はみなさんに、働き方改革や生産性向上の鍵の1つが、人事評価制度の適切な運用にあるという観点で話したいと考えております。

常々私は、「社員が1名でもいるのなら人事評価制度は必要だ」と話しています。実際、弊社のクライアントには従業員数が10名未満の企業もいます。

人事評価への関心が高まっている要因は2つあります。1つは優秀な人材の確保です。現在採用関連の市場は9兆円規模にまで大きくなり、圧倒的な売り手市場といわれています。その一方、人材の獲得に失敗している企業の多くは、優秀な人材が流出してしまっているのです。

その原因は、給与とがんばりの連動がない点にあります。日本の高度経済成長を支えた3種の神器はもはや通用せず、年功序列制は若年の動機につながりません。評価の「ものさし」が合わなくなってきたのです。

この流れの中、例えば東芝は昨年の水増し会計問題を受け、今年の夏からは東芝全社員が、キャッシュフローの達成基準による報酬支給に大きく変化しました。

2つ目は労働法の改正です。国は有給休暇の消化義務や残業代、最低賃金の値上げなど、労働者保護を徹底した施策が次々と出しています。整備されていない人事制度の隙間をつかれ、従業員に訴えられ違法の判決を受ける企業も増えています。この流れに対して、人事評価を「企業防衛」という視点で取り組む必要性が出てきているのです。

少しネガティブな面も話しましたが、我々民間企業は、社員の賃金アップと業績向上の2つを、好循環サイクルで回していく必要があります。そのための物差しの1つが、人事評価制度の新たな仕組みと適切な運用で解決できると考えています。

トークセッション

2020年東京、日本、そして世界は
ジャーナリスト 蟹瀬誠一氏 × ジャーナリスト 上杉隆氏

蟹瀬)先の東京都知事選に上杉さんが立候補し、私も初めてビールケースに乗って応援演説をしました。彼は長く記者として東京都政を取材し、東京に何が必要かを間近で見てきて都政の問題をよく知っている。支持母体がないなかで18万票の支持を得ました。選挙は終わりましたが、築地移転やオリンピックの問題はまさにこれからです。

上杉)記者として東京都政を20年近く見てきました。築地の問題は95年に青島知事が都市博中止を決めて、臨海部の土地が空いてしまったというのがそもそもの始まりで、その後、石原知事の時代になり、臨海部の開発をしなければという理由で2001年に東京都が豊洲の土地を購入した。その時点で汚染の問題は認識していました。盛土の件も2011年の震災直後のどさくさにまぎれて計画が変更になってしまった。都庁は予算が大きい分、知事も知らない、一部の人しか知らない、今回のようなことがあらゆる部局であり得るのです。

蟹瀬)一般の方は「トップが知らないわけがないだろう」と思われるでしょうが、トップに情報が上がらず、担当レベルでどんどん話が進む、こういうことは結構あります。築地移転に関しては、移転賛成か反対かという議論はちょっとズレていて、大きな視点で見れば築地は施設や衛生環境も老朽化に伴い劣化していて移転は必要なのだと思います。その決定プロセスのところに不透明なものがあると思うんですよね。東京オリンピックについても、予算がいかにどんぶり勘定で不透明なものであったかがいまになって見えてきています。

上杉)2002年に国際オリンピック委員会がオリンピック憲章に「オリンピックの開催都市ならびに開催国にlegacy(遺産)を残すことを推進する」と書き加え、これに則って石原都政もいまある施設を利用して、オリンピック施設が8キロ圏内にすべて収まるコンパクト・オリンピックを予算4500億円でやると約束したんです。ところが招致が決まると、費用も1兆、2兆、3兆とどんどん膨らんで。

蟹瀬)かつてのオリンピックはチケット収入で主たる運営をまかなっていましたが、ロサンゼルスオリンピック以降、オリンピックの商業化が進み、それに伴いさまざまな利権も横行するようになった。一方で、好例としてはロンドンはオリンピックが終わった後、開発を通して街がさらに活気を呈するようになりました。かけるべき予算を精査した上で、東京もオリンピックを起爆剤に老朽化した都市を再生させていこうと。そういうしっかりとしたコンセプトが必要なように思います。

上杉)そういう意味で、オリンピックはlegacy(遺産)や継続性の視点が必要です。小池知事は作って壊すものはできるだけ簡易に、残すものは都民の財産となるように、予算も含めてコンパクト・オリンピックに戻そうとしています。それを示したときに果たしてどれくらいの反発があり、メディアがそうした問題にどのように向き合うか。

蟹瀬)海外の記者を経験した人間や外国人記者クラブから見ると、日本のメディアは閉鎖的で、マスコミであっても自分たちの利益を優先してしまう。オリンピックの一連の報道を取り扱っている雑誌もありますが、まだまだ影響力は小さいのが実情です。今後、皆様も正しい情報を得てビジネスに活かすこともあるでしょう。こうした日本の置かれているメディア状況を理解した上でご判断いただけたらと思います。

※運営事務局にて抜粋したものを掲載しております。

開催日時
9月15日(木) 14:00~16:30
タイムテーブル
14:00~14:05 主催者挨拶
14:05~14:35 メンバーズスピーチ(株式会社あしたのチーム 高橋恭介氏)
14:35~14:50 コーヒーブレイク
14:50~16:30 トークセッション(蟹瀬誠一氏・上杉隆氏)
場所
外国特派員協会(外国人記者クラブ)
東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館20階Google Map
TEL:03-3211-3161
http://www.fccj.or.jp/2015-02-02-04-29-17/2014-10-16-03-04-20.html