活動レポート 大阪新春例会2022年1月17日

第55回新春例会 大阪

大阪・関西万博会場運営プロデューサー 石川勝氏

写真:スペシャル講演②/大阪・関西万博会場運営プロデューサー 石川勝氏

講演内容
スペシャル講演①

万博ダンスで表現した日本のイマジネーション

akane 氏

akane 氏

2022年1月大阪例会

2022年1月大阪例会

私は大阪府岸和田市の出身で、3歳の頃からジャズやバレエやヒップホップなど色々なダンスを習ってきました。高校ではダンス部に入部し、大会などにエントリーするなど、本格的にダンスに力を注いできました。大学では日本女子体育大学の舞踊専攻に進み、実技のみならず、理論や科学的な見地から学んだことも今の自分に繋がっていると思います。その後、現在に至るまでプロの振り付け師として頑張っています。また、母校である登美丘高校のダンス部コーチも務め、多くの生徒たちの指導もさせていただきました。

作品を創るにあたっては、ファッションや音楽からインスピレーションを得たり、日常生活の中から人の動きを観察しながらヒントを得ていきます。中でも、私は80年代邦楽ポップミュージックや80年代洋楽が大好きで、そこから得たものをバックグラウンドに、高校ダンス部による「バブリーダンス」を大会として創作しました。今の高校生にとっては、80年代ファッションや音楽は新鮮でもあり、髪型や服装やメイクなど、ダンス表現の精度を上げるための要素として非常に研究熱心に取り組んでくれました。

その後、Youtubeに上げた「バブリーダンス」動画が話題になり、今では1億回再生を超えるまでになりました。色々なSNSでも大ヒットし、わずか3ヶ月後、その年の日本レコード大賞の特別賞を頂き、NHK紅白歌合戦に出演するなど、国内外から多く広く認知されるようになりました。

ダンスで感情を表現する難しさを学ぶには、練習の中でその表現を育てていくしかありません。身体で人の感情をどう表現するかを考えながら、個人個人の体格や筋力が違う中で、生徒や他のダンサーたちとコミュニケーションを通して作品化していきます。もちろん大会で勝つことも大事ですが、今は自分の作品が観てくれた人の心に届くことを大切にしたいなと考えています。

元々、私は2025年大阪万博スペシャルの誘致サポーターに選ばれる前から、70年大阪万博が大好きで、特に岡本太郎さんを尊敬していました。大学時代には図書館で大阪万博の関係資料を読み漁り、卒業後に大阪万博×岡本太郎をイメージしたダンスを創ったくらい、大阪万博への想いが強かったので、今回、このような機会に恵まれ、2025年に向けて、ぜひ、ダンスで大阪万博を盛り上げたいと思っています。そして、生身の人間が表現する素晴らしさを世界に伝えていけたらいいなと思います。

akane 氏

◆akane 氏 プロフィール

大阪・岸和田出身。
CMや映像作品などマルチに活動する振付師。
3歳の頃からダンススクールに通い、大学の頃から府立登美丘高校ダンス部の指導にあたり全国優勝へと導く。2015年よりダンスカンパニー<アカネキカク>をスタートし、17年にYouTubeで配信した「バブリーダンス」が1億回再生を突破。
現在は、海外映画、アーティスト振り付けや、横浜アンパンマンこどもミュージアム内のショー振付、報道番組「スッキリ」と高校ダンス部応援企画「ダンスONEプロジェクト」なども手掛ける。

スペシャル講演②

万博が描く未来社会

大阪・関西万博会場運営プロデューサー 石川 勝 氏

大阪・関西万博会場運営プロデューサー 石川 勝 氏

2022年1月大阪例会

2022年1月大阪例会

万博はオリンピックとは違い、国際博覧会条約(BIE条約)に基づいた国の事業として位置づけられ、その条約に批准し、BIE事務局によって承認され、初めて博覧会を執り行うことができるとされています。万博の歴史は古く1851年ロンドン万博にまで遡ります。当時は植民地の数を競い合うなど、主として国威発揚を目的とした大規模なものでしたが、度重なる戦争など経済不況・財政難の煽りを受け、時代と共に万博は徐々に変容していきます。その歴史的流れの中で1928年にBIE条約が締結され、通常の規模の博覧会を登録博(一般博)、小規模なものを認定博(特別博)として二分化を遂げていきます。

昨年のNHK大河ドラマでも話題になりましたが、日本は幕末の頃から万博に参加しており、1867年パリ万博においては、江戸幕府・薩摩藩・佐賀藩を中心として、わずか0.3%の出展面積にも関わらず、日本の芸術や文化を展示することでヨーロッパの人々の間にジャポニズムブームが沸き起こったと言われています。その後、日本は日露戦争に勝利し、一流国の証として1907年万博の開催を計画するものの、財政難により計画中止に追い込まれてしまいます。また、1940年にも日本万国大博覧会を皇紀2600年奉祝行事として開催準備し、実際に入場券も販売されたのですが、日中戦争の長期化によって中止となってしまいました。この時は東京で夏季五輪、札幌で冬季五輪も予定されていましたが、同様に中止となります。

このような世界的な時代背景を受け、1928年にBIE条約が締結されたわけですが、特に第二次世界大戦後の世界各国の万博は経済成長と共に事業規模が二分されることになります。特にオイルショック後の万博の多くは小規模の特別博と言われるものでした。ただ、60年代のアメリカの著しい経済成長に象徴されるように、資本主義における大規模な万博の成功は、企業の台頭を後押しする形で、かつての国家中心の国威発揚型から企業中心の最先端科学技術の提案型へと移行していくことになります。

さらには、元々、従来のBIE条約では、博覧会の定義を「達成された進歩」を示すものとされていました。ところが、1994年の総会決議によって、現代社会における今日的なテーマとして「人類や社会の要請に応えるべく必要な自然環境問題」をテーマにすることとし、これまでの「到達点」を示す万博から未来への「出発点」を示す万博へと、新条約に改訂されます。

ここで一つ、私が取り上げたいのは2005年に行われた愛知万博です。愛知万博では、「自然の叡智」をテーマに掲げながら、会場となる地区にオオタカの営巣が見つかり、跡地開発も含めた会場計画が批判に晒され、何度も計画の変更を余儀なくされました。この度重なる会場計画の見直しにも関わらず、来場者数が目標の1500万人を超え2205万人となり、収益も129億円の黒字で終わることができたのです。この時取り組んだ地球環境保護の様々な挑戦は、愛知万博が国威発揚型から人類共通の社会的課題解決型への転換を示す象徴として位置づけられています。

2025年に開催される大阪・関西万博においても、私たちは「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」をテーマに掲げ、果敢に挑戦をしていきます。例えば、SDGsにおけるESMS(イベントの持続可能性に関するマネジメントシステム)への挑戦では、ISO20121の国際規格に準じ、数値目標を掲げた方針を策定(PLAN)し、資材調達のルール化(DO)、そしてチェック機能としてトレースや通報窓口の設置(CHECK)、組織体制やガバナンスの構築(ACT)を行います。また、ネット社会に対応すべく、バーチャル会場の提供、オンラインによるサイバー万博の活動推進、リアル会場におけるXR演出によるデジタル技術体験なども計画しています。さらには、従来ではテーマ設定から事業企画を立ち上げ、推進体制を経てクリエイターの選定が行われていましたが、クリエイティブドリブンにおいては、テーマ設定からクリエイター選定を行い、各クリエイターが考える事業企画に基づいた推進体制を構築するという新たな取り組みにも挑戦していきます。

万博とはまさに「時代の合わせ鏡」であり、そして「未来を覗く窓」です。私たちは、大阪・関西万博を「時代の合わせ鏡」として、SDGs・ネット社会・ダイバーシティを3つの像と捉え、それぞれのテーマに取り組んでいきます。また、「未来を覗く窓」として、クリエイティブドリブン・ESG(環境・社会・ガバナンス)・DX(デジタルトランスフォーメーション)の3つの課題にも取り組んでいきます。

これまでの万博の歴史を踏まえ、今まさに現在進行形で2025年大阪・関西万博の開催準備をしている最中ですが、この3月頃まで企業様への参加を呼びかけております。3月を過ぎると、各企業と事業のマッチングが決定し、それぞれ計画の実行に移っていきますので、もしご興味ご関心のある企業様がございましたら、私ないし協会にアクセスいただき、ご不明な点は遠慮なくご質問いただければ、皆様のお力になれるよう頑張りたいと思っていますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。

大阪・関西万博会場運営プロデューサー 石川 勝 氏

◆石川 勝氏 プロフィール

プランナー、株式会社シンク・コミュニケーションズ代表取締役、大阪・関西万博会場運営プロデューサー、大阪市立大学客員教授。

1963年札幌市生まれ。プランナーとして、イベントプロモーション、文化・商業施設開発、コミュニケーションデザイン分野で実績を積み、2004年株式会社シンク・コミュニケーションズ設立。博覧会や展示会を数多く手掛け、2005年愛知万博ではチーフプロデューサー補佐として基本計画策定に従事、ロボットプロジェクト、愛・地球広場、極小IC入場券をプロデュースした。ロボット分野、コンテンツ技術分野に専門性を持ち、2006年から2016年までの10年間、東京大学IRT研究機構プロジェクトマネージャー・IRTコンテンツ部門長。「先端融合領域イノベーション創出拠点(少子高齢社会と人を支えるIRT基盤の創出)」などの産学連携事業を推進。

開催情報

開催日時:1月17日(月) 16:00~18:30
16:00 開会
16:00 開会の挨拶 
16:05 スペシャル講演①(振付師 akane氏)
16:50 ブレイク
17:00 スペシャル講演②(大阪・関西万博会場運営プロデューサー 石川勝氏)
18:30 閉会

場所:リッツカールトン大阪 4F ボールルーム ザ・ウエストルーム

〒530-0001 大阪市 北区梅田2丁目5番25号
TEL:06-6343-7000(代表)

地図URL:https://www.ritz-carlton.co.jp/access/


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